誰もが夢中になれる、学びの創造
NPO法人学修デザイナー協会のご紹介
これからの私たちの社会は,情報通信技術の進展,少子高齢化など,誰も経験したことがない予測困難な社会を迎えることとなります。このような時代の変化にともない,激動の時代を生きる子どもたちへの教育にも,パラダイムシフトが求められています。
私たちは,このような状況の中で2011年末に,17名の小学校,中学校,高校,大学,特別支援学校の教員,セミナー講師,ビジネスパーソンが集い,「子どもたちの未来に橋をかける」という趣旨で研究会を起ちあげました。
その後, 2013年には特定非営利活動法人として東京都の認証を得るとともに, 2019年からは名称を「NPO法人学修デザイナー協会」に改め,「誰もが夢中になれる学びをつくる」ことをめざして活動を続けています。
教育に,万能の方法はありません。子どもたちの学び方が一人ひとり違うように,子どもたちにあった教え方も異なります。私たちは教育学や心理学,脳科学などの知見をもとに,学習者一人ひとりを観察し,学修を深める思考ツールやICTを活用しながら,「何を教えたか」ではなく「何ができるようになるか」の視点で授業のデザインに取り組んでいます。
このような,学校の授業や研修・セミナー講座での実践は, FacebookなどのSNSで相互に共有するとともに,年に一回,全国大会での発表や広報誌への掲載を通して,全国の優れた実践成果を公開しています。また,学修デザイナー養成講座や学修デザイン研究会を開催し,誰もが夢中になれる学びづくりをめざす仲間を全国に広げています。
これらの活動にご賛同いただける方や関心をお持ちの方は,ぜひ,私たちの活動をご覧いただき,ご参加くださいますよう,よろしくお願い申し上げます。
お知らせ
2023年8月6日、探究学習と生成AIの授業に関する特別な教育イベントが開催されました。
私どもNPO法人学修デザイナー協会は、「誰もが夢中になれる、学びの創造」をテーマに、教育学や心理学、脳科学の知見を活用し、学習者一人ひとりを観察し、思考ツールやICTを活用した授業デザインづくりとその実践に取り組んでいます。
現在、OECD Education 2030「プロジェクト∞無限大(Project∞Infinity)」研究パートナーとして日本OECD共同研究に参画しています。
当協会の活動の一環として開催しているのが、年に一度の『学修デザイン研究会全国大会』です。この大会は文部科学省の後援のもと、今年で通算13回目となります。
今年のテーマは「探究学習の力で教育を変革!未来の学校を導く挑戦者たち」
当日実施された内容をご紹介します。
【日 時】
2023年8月6日(日)10:00~17:00
【会 場】
今年はオンラインと現地会場でのハイブリッド開催となりました。
○オンライン:zoomによるリモート参加
○会 場:日本教育会館・第5会議室 〒100-0003東京都千代田区一ツ橋2-6-2
【当日ご参加の方の感想】
○開会挨拶
鹿江宏明(理事長・比治山大学学部長)
○基調講演
「産・官・学をつなげる探究リンクプロジェクト」
経営コンサルタント・作家・日本を代表する国際的マーケッター。アルマ・クリエイション株式会社 代表取締役。日本最大級の読書会である、一般社団法人リードフォーアクション 代表理事。
ビジネス分野のみならず、NPO法人学修デザイナー協会理事を務めるなど、教育界でも精力的な活動を行っている。
講演の主なトピック
たった3ヶ月で起こった30年分の進化とは
「成績が良いが気付きが少ない」からどう脱却するか
国の反映を決定づける要因
日本の探究学習の違い
OECDが推進する2030年の教育とは
○招聘講演「ないなら創ろう!理想の学校」
特別活動や生活科・総合的な学習の時間について専門的に学ぶ。特別支援学校でのインクルーシブ教育や、発達の系統性、乳幼児心理学に関心をもち、小学校にて教鞭を持つ傍ら大学院にも通い、人間発達プログラムで修士修了。特別支援2種免許を所有。プログラミング教育で全国的に有名な前原小学校では、研究主任やICT主任を歴任。
2022年4月に開校したオルタナティブスクール「HILLOCK初等部」のスクールディレクター(校長)。著書に『子どもが自ら学び出す!自由進度学習のはじめかた』(学陽書房)など。
講演の主なトピック
毎日の自然体験を都内で実現するオルタナティブスクールとは
探究学習で必要なのは「何をやるか」ではなく・・・
失敗する権利をどうやって子どもに提供するか
自然の中で学ぶ算数「数と論理」
小学校1年生がなぜローマ字入力ができるのか
自由進度学習の始め方
すべての子が楽しく成長できるために
○招聘講演「鳥取発!探究を核にした学校づくり」
日立製作所でエンジニアを経験した後、キャラクタービジネスの世界へ転身、玩具やミュージアムの企画を担当。未経験の業界への転職であったため、独学で知識やスキルを身につけなければならない状況に追い込まれ、はじめて「学ぶ」ことの意味を理解する。
2012年鳥取県鳥取市へ転居。青翔開智中学校・高等学校の設立に参画し、学校建築、ファニチャー、ICT、図書などの企画設計を担当する。2015年からは中学校技術、中学校探究(総合的な学習の時間)を担当しデザイン思考をベースとしたPBLを展開、「生徒たちのアイデアを社会実装する」をコンセプトに授業設計をおこなっている。副校長を経て2020年より現職。
講演の主なトピック
探究学習を主軸においた中高一貫校
鳥取・日本・世界のヒーローになる人材とは
探究の質を上げるために他の学科を学ぶ
探究の成果を企業に提案するしくみとは
地元のITメーカーと協力して市役所の問題を解決
高校生が大学生レベルの論文ができるために
探究テーマが進路決定に及ぼす影響
○座談会「探究学習で教育を変革」
蓑手章吾・織田澤博樹・神田昌典・鹿江宏明
座談会の主なトピック
学びから逃げる子どもたちをどう巻き込むか
保護者の理解を得るにはどうすればいいか
探究における先生同士の連携をどのように図るか
○事例と体験ワーク
生成AIを使った授業の「学修デザイン」
生成AIの登場により社会環境が変化しつつあります。文部科学省が公表した「生成AIの学校での取り扱いに関する暫定的なガイドライン」に基づき、協会理事はいち早く各学校でchatGPTを活用した授業デザインを実施しました。このセクションではその成果を発表し、一部の授業を体験していただきました。
(1)鹿江宏明(理事長 比治山大学学部長・教授)
chatGPT登場による大学でのレポート課題の変化
「理科教育法」における課題解決にchatGPTを使った事例
学生の反応
思考を鍛える「ツール」として使う方法
(2)磯西重行(理事 枚方市立東香里小学校教諭)
企業課題を考えるための探究授業の事例
生徒の答えとchatGPTの答えの比較
chatGPTができること、できないこと
因果関係、理由を考えるプロセス
(3)荒 康義(理事 福島県立郡山高等学校教頭)
探究における小論文作成の事例
学校教育でchatGPTを導入すべきか?
chatGPTを使ってディベートするとは
思考の壁打ちとしての方法
(4)前多昌顕 (理事 青森県公立小学校教諭)
「 chatGPTは怒らない」
難しいプロンプトは要らない
作文を書くための取っ掛かりにする方法
kahoot!のAI機能でテスト問題は作れるか
canvaのAI機能で俳句のイラストを作るワーク
○理事シンポジウム
「探究学習・ICT・生成AIで変貌する教育現場」
パネリスト
鹿江宏明
(比治山大学学部長・教授)
吉井 毅
(江戸川学園取手小学校教諭)
磯西重行
(枚方市立東香里小学校教諭)
前多昌顕
(つがる市立森田小学校教諭)
荒 康義
(福島県立郡山高等学校教頭)
玉村一郎
(八洲学園大学非常勤講師)
シンポジウムの主なトピック
探究に対する学校内の抵抗をどうするか
生成AIを使わないと日本はまた20年遅れる
ITスキルを使えないことが格差を生む
一人ひとりがバラバラな授業でいい
生成AIもマスコミ情報も同じように検証が必要
絶対的に生成AIへの経験値が足りない
生成AIに対する質問が作れない子ども
質問力を高めるには
授業の時間短縮に生成AIを役立てる
実際の体験、経験の大切さ
【この会の録画視聴について】
当日の録画収録は学校の先生向けに限定公開いたします。現在、NPO法人学習デザイナー協会が提供する「PABLOS(パブロス)」という教育者専用のデジタル図書館で閲覧可能です。
「PABLOS」には、研究会の動画のほか、グローバル探究課題ライブラリーや探究学習の専門家インタビュー、探究学習事例研究、教育書籍ガイドなど、多彩なコンテンツが揃っています。すでに日本全国500校の先生方にご利用いただいています。
登録・利用は無料。収録動画の公開は期間限定になりますので、早めにご視聴いただくことをおすすめします。
『探究の達人』出版記念・連続読書会のお知らせ
当協会が編著した書籍『子どもが夢中になって学ぶ!「探究心」の育て方~探究の達人』が、2023年3月9日に出版されました。
この書籍は、子どもたちの未来を担うための最先端の探究授業を紹介し、探究心を育む方法や先進的な教育手法について詳しく述べています。
出版を記念してオンラインで連続読書会を開催します。参加は無料です。4回開催しますが、ご都合の良い回、ご関心のある回のみ参加していただくこともできますし、また全部の回に参加することもできます。
読書会では、参加者と書籍を読んだあと協会理事が登壇し、書籍の裏話や活用方法、教育者へのメッセージなどをお話します。
読書会のスケジュールと登壇者は以下のとおりです。
4月1日(土)20:30-22:00 テーマ「高校の探究」
荒康義理事(福島県立郡山高等学校教頭)4月8日(土)20:30-22:00 テーマ「小学校の探究」
磯西重行理事(枚方市立東香里小学校教諭)4月15日(土)17:00-18:30 テーマ「小学校・中学校の探究」
鹿江宏明理事長(比治山大学 学部長・教授)4月21日(金)20:30-22:00 テーマ「ICTの活用」
前多昌顕理事(つがる市立森田小学校教諭)
参加登録は以下のリンクから行ってください。
→参加登録はこちら
当日は下記の書籍をご用意ください。この読書会はリードフォーアクションの手法で実施されるため、事前に本を読む必要はありません。
1~3の回『探究の達人』(学修デザイナー協会編著)
全国の書店、オンラインショップで購入できます。
4の回『先生のためのICT超高速業務ハック 時間を生み出すデジタル仕事術』(前多昌顕著)
全国の書店、オンラインショップで購入できます。
書籍『探究の達人』無料ダウンロード
マイデジタル図書館「PABLOS」にて『探究の達人』全文の原稿を無料でダウンロードしていただけます。「PABLOS」は学校関係(小中高・専門・大学・教育委員会)の皆様は無料でご登録いただけます。
※今回の読書会にもこちらの原稿でご参加いただけます。
PABLOSに登録すると、
・先進的な探究学習の実践事例から学び、また共有できるようになります。
・ご自身のカリキュラムを登録し、反転学習を柔軟に設計できます。
・AIによる即時フィードバックで、生徒のモチベーションアップを図れます。
その他、生徒たちが授業を楽しみにするような様々な効果的ツールや機能があります。
この読書会の案内チラシ(QRコード付き)をご用意しました。関心のある方にお渡しいただけると幸いです。